同人雑誌『まんじ』寄稿文書一覧

accessmail

140号掲載 農業、農村そして地方の応援ソング

農業、農村そして地方の応援ソング 古屋富雄作品集第2弾 ~ふるさと回帰、村に戻って~
(→pdf でもご覧頂けます)

都市と農村のあり方を多くの人に考えてもらう歌として2015年10月にリリースしました古屋富雄作品集に「過疎」と「遠い思い出」があります。
高度経済成長期(1955年~73年)がもたらした負の遺産と称される「村の過疎化」により寂れていく村の姿を、また、幼い少年・少女の淡く辛い別れをフォーク調に仕上げたもので、哀愁のある心休まる歌としてご評価いただきました。

そして、この2曲を聞き、歌われている村の暮らしや少年・少女のその後はどうなったかと?との問い合わせが多く寄せられました。

近年、国が示す地方創生と連動するように新聞には、「田舎から日本を変えよう」、「田園回帰どう定着・村をめざす若者たち」、「故郷のない都会人が田舎を持てる仕組み」などと、農村での暮らしのニーズやトレンドを煽るかのように掲載しています。
テレビも例外ではなく、地方公務員が過疎の村を再生させた唐沢寿明さん主演の「ナポレオンの村」が大反響を呼ぶなどメディア媒体を通した地方への関心が多いに高まっている現実があります。

このような背景を感じつつ、古屋富雄作品集第2弾「ふるさと回帰」と「村に戻って」のリリースに至りました。
2曲とも、「過疎」と「遠い思い出」のアンサーソングそして、農業や農村、地方を元気にする応援ソングとして、J_POPに仕上げてあります。

「ふるさと回帰」は、高度経済成長期でも離農することなく、過疎の村に留まった少年が結婚して40年が経過した今の心情を歌ったものです。
町の暮らしに憧れ、より合理的な暮らしを求めたことが本当の幸せだったのかどうかを問う一方、「農ある暮らし」に憧れる若者が村にやって来ている現状をどのように考えるかを提起しています。

また、代々守り続けたお墓の管理についても、おろそかにすることがないように「先祖の墓に花をたむけよ」と言うメッセージをぶつけています。
この曲は私が作詞をして東郷昌和さん(BUZZ)が曲をつけてくれました。
東郷さんの伸びやかな声質が如何なく発揮され、東郷ワールドに引き込まれる素晴らしい作品になっています。
演奏については、ギターリストで音楽プロデューサーの伊藤銀次さん(佐野元春さんのプロデュースや大瀧詠一さん、山下達郎さんとナイアガラ・トライアングルを結成していた)と、その仲間のバンドの皆さんが参加してくれました。

「村に戻って」は、父親の工場への勤務が決まり、幼い日に遠い町へ行ってしまった少年と少女の淡い別れのその後を歌っています。
少女の家は町での暮らしを求めて村を出て行ってしまいました。
そして、少年の家も同様に村を離れてしまうことになるが、二人が大人になった時に、再び村に戻り一緒に暮らして生きていこうとするストーリーを描いています。
曲については、前回の作品集、「遠い思い出」のメロディーを踏襲しています。

イギリスでは、「都会で暮らすこと」は、人が生きていくための「義務的な生活」であり、「田舎で暮らすこと」は、人が人らしく生きていくための「権利的な生活」であると言われています。
我が国でもお金や物の豊かさ以外に、人が人らしく生きていくための豊かさが農業や農村、地方にもあることを、この2曲を通じて感じていただければと思います。                  

《ふるさと回帰 ~過疎のアンサーソング~》

みんな町へ行ってしまいました村のイラスト
あれから40年が経ちました   
私は妻と村に留まっています
農ある暮らしを続けています    

町の暮らしはどうですか     
楽しい日々は続いていますか
私は今日も畑に出ています
明日の糧を作っています     

アー ふるさと回帰
優しい母の胸に戻れよ
アー ふるさと回帰
先祖の墓に花をたむけよ

そろそろ村に目を向けませんか
あれから40年が経ちました
町から若者がやってきています
農ある暮らしがしたいようです

新しい風が吹いています
町から村へと吹いています
暮らしていく術は教えます
まずは花でも植えましょう

アー ふるさと回帰
優しい母の胸に戻れよ
アー ふるさと回帰
先祖の墓に花をたむけよ
優しい母の胸に戻れよ

 

《村に戻って  ~遠い思い出のアンサーソング~》

 

君と二人で遊んだ村に     空
一足早く戻ってきました
見上げた空はどこまでも青く    
暖かな日差しに 「ホッ」としました

これから僕はこの村で       
君の帰りを待ちながら
郷土料理でもてなす宿を      
母の生まれた 家で始めます

荒れた畑を元に戻して        
蕎麦の種を播いてみました
今年の暮れは蕎麦でも打って     
新たな年を 君と迎えたい

君から手紙が届いていました
約束どおり村に戻って
早く一緒に暮らしたいと
小さな文字に 笑顔が見えた
小さな文字に 笑顔が見えた